イエスの「遺言」

前回は、「掟」について大まかに考えた。今回は、その掟をイエスの遺言として捉え、内容の根幹をなす「愛」についての考えを深めたい。掟を与えたイエスは、真理と善についての対話をし、ついに愛についての対話を始める。徐々に、徐々に自らのイデアとして…

「掟」の意味〜法は私たちの足枷なのか?〜

復活節も終わりに差し掛かってきた。実に寂しいことに。教会の典礼色で年間最も使われるのは緑色である。教会の喜びを表す白は、一部の祝日にのみ使われる、少々イレギュラーなものとして扱われることが多い。しかし、このイレギュラーなお祝い用のチャリス…

命の春

春になると、景色は色鮮やかになる。少し前は白や茶色しかみえなかったのに、周囲には緑や、赤、黄色、様々な色が現れる。地面の穴からは眠っていた動物たちが起きてきて、木々へ目を凝らすと鳥たちの歌声が聞こえるようになる。冬から春への移り変わりは、…

十字架のチカラ

聖餐式の中で、懺悔や平和の挨拶といった聖餐準備に入る部分は、正直いってあまりおもしろくない。音楽はないし、そんなにカッコイイ動きがあるわけでもない。しかしこの一見あってもなくてもいいようなものが、実は大切な役割を担っている。キリスト教では…

聖書の読み方

最近、「熱心なクリスチャンだ」という割には聖書を読めていない人が多い気がする。実際、教会に行かないと聖書を開かない人が多い。しかし、ここで言いたいのはそういう話ではない。彼らには、ミサに与る前に聖書日課になる箇所を読んでから行け、というだ…

諸国の民があなたを称えるように

「神よ、諸国の民があなたを称え、全ての民があなたを称えるように」(詩編67:3) この間、大学や小学校、病院といった施設についているチャペルでの礼拝において、未信徒が多く参列する典礼はあまり華美にしないほうが良い、という考えがあると耳にした。…

「多様性系ファシズム」問題を考える〜トマス・アクィナスの「法論」の視点から〜

「結局、法って何なんですか?」こんな問いが、この前の連続テレビ小説の中で投げかけられていた。法とは何か、これは法学を学ぶものに限らず、誰でも一生かけて考えられるテーマであろう。しかしトマス・アクィナスの『神学大全』の中で、法論を読んでいく…

文学のコト

自己紹介の続きをする。私は、大学では英文学を専攻している。このこともあり、「キリスト者」と自己紹介していながらも、がっつり聖書や神学の話題ではなく、英米文学を中心とした文学について考えつつ、教会の教えについての私の考えをまとめていくつもり…

ブログ始めました

こんにちは。菊地雄大と申します。聖公会の信者で、洗礼名はフランシスコです。現在大学3年生で、学部生がブログでダラダラと喋るなんて生意気だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、自分自身の思考体系を纏め、かつ多くの人に発信していく目的です。も…